メタバースと対話インタラクション

2022-11-15
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近年脚光を浴びているメタバース(ソーシャルVR)では,現実ではできない様々な体験に注目が集まりがちですが,実際にその中で行われている最も重要な活動は,参加者間のコミュニケーション,つまり対話インタラクションといっても過言ではありません.

メタバースでの対話インタラクションの特徴・強みは各参加者のアバターがもつ身体性です.一方で,アバターの移動・位置・姿勢制御が現実(操作インタフェース)の制約をうけることで,逆説的に,現実よりも大きなバリアが参加者間に生じてしまっている側面があります.バーチャルリアリティ空間は一見バリアフリーな世界に見えて,実はそうではないということです.多種多様な身体・環境の制約と個々人の嗜好を乗り越えて,誰もが誰とでもストレスなくメタバースの中でコミュニケーションできる世界を実現するための技術・人間研究を,同じ未来産業技術研究所の長谷川准教授・吉村准教授や外部の社会学研究者と共同で進めています.

ゆくゆくは,メタバース内で活動するであろうAIエージェントと,人々が安心・信頼して協調できるための,対話技術の研究にも繋げていく予定です.

関連発表文献

[1] 東工大ニュース: 未来を実現するための研究支援「DLab Challenge 2022」に3研究を採択 2022.8.9

[2] 長谷川: “近接チャットとHMD VRによるメタバースの相違点”, バーチャル学会2022 (TBA)